中山 英樹さん
東京都江東区の非農家に生まれる。 半導体メーカーに就職して製品開発に従事。35歳で 退職後、2年間の農業研修を経て、2018年につく い地域青野原地区で就農。現在は施設栽培を主体に、 夏秋トマトなどを生産している。
年齢
46歳
就農年数
8年
農園
ナカヤマファーム
生産品目
夏秋トマト・サツマイモなど
営農地
青野原
栽培面積
約6,000㎡
出身地
東京都
家族構成
妻、長女、次女
就農するまでのきっかけと経緯は・・・
農業という仕事は、野菜を生産するだけでなく、出荷、経理、農地・農機の管理、営業、事業計画など多岐にわたります。個人事業主として独立就農するのであれば、これら全てを適切にこなして目標所得を稼かなければなりません。自由はありますが保障はありません。
この『自由と責任を伴う働き方』を望んだことが就農するきっかけです。農業の魅力は、美しい自然と移ろう季節の中で、生命の循環を肌で感じつつ、『食』に携わる仕事であることだとおもいます。
就農の経緯は、それまで全く農業経験がなかったので、インターネットで調べた就農イベントに足を運び、研修生を受け入れている高知県の有機農家と出会ったことが始まりです。研修一年目は高知県で有機農業の研修を受け、二年目はつくい地域で減農薬栽培の研修を受けました。
つくい地域で就農した理由は・・・
当初は、前職で住んでいた厚木市で就農するつもりでした。そのため研修二年目は、高知県から厚木市へ戻り、そこから通えるつくい地域で研修を受けつつ、施設を建てられる農地を探しました。しかしながら、施設を建てられる農地を新規就農者が見つけることは難しく、最終的に断念せざるを得ない状況でした。困っていたところ、研修受け入れ農家の方がつくい地区で取り計らっていただき、無事につくい地区で就農することができました。
就農するにあたり、農地を借りることは難しい課題になります。良い農地は既に使われていますし、空いている農地を探すこと自体たいへんです。地域の農家と繋がることが、農地を見つける鍵になるとおもいます。
つくい地域では、J A青壮年部が農地探しに協力しています。
これから就農を目指すみなさんヘ・・・
農業は人間本来の暮らしを体感できる職業です。農業という職業に憧れを抱く人も多いかと思います。し かし、農業を生業とすることは難しいことです。農業 というと野菜の生産や販売に注目されがちですが、他 にも経営管理、マーケティング、労務管理、財務管理 など、事業を成り立たせるための経営能力が問われま す。ただ、この経営能力を学ぶ機会はあまりなく、社 会経験が少ない人ほど就農してから苦戦します。これ から就農を目指すみなさんは、まず農業研修を1~2 年間受けるかとおもいますが、生産技術だけでなく経 営能力も身に着けられる研修先を見つけてください。 また、就農後は一人で頑張ろうとせず、農家仲間を作り、情報や知識を共有して互いに切磋琢磨できる環境を作ってください。JA青壮年部は、そのような仲間 づくりを目的とした若手農業者の集まりです。是非、 つくい地域で就農して、一緒に農業をやりましょう！
栽培作物はどのように決めましたか・・・
農業の知識・経験はゼロからのスタートだったので、 まずはしっかりと農業研修を受け、そのあいだに自分にあった農業を見つけようと考えました。そのため、 研修一年目は、高知県の有機農家のもとで、土作りの基礎と年間約50品目の野菜栽培を学びました。そこ でトマトに興味をもち、二年目はつくい地域で施設卜マトを栽培している農家のもとで研修を受けました。
トマトを主作物に選んだ理由は、販売単価が高いこと、 長期栽培が可能なこと、栽培方法で個性が出せること、 私自身がトマト好きなことなどです。トマトを長期栽培するには施設栽培が向いていることから、施設農家になることも決めました。
栽培作物を決めるときは、多品目であれ少品目であれ、 地域No.1だと自他ともに認知されるような代表作物 を一つ、もつことを目指すのがよいとおもいます。